養殖ふぐが国内に流通し、更に大量の中国産ふぐが出回ると、ふぐの価格は一気に下がり始めました。
消費者には歓迎する事態ですが、生産者には養殖漁業存続の大問題です。
そこで福良の養殖業者は、他の地域との差別化をはかるために、難しい3年養殖に取り組むことに
なりました。
養殖ふぐは普通、稚魚から育て、2年目の冬に出荷します。
出荷するまでには病気であったり、赤潮であったり、その他の様々な要因で
生育数が減少します。
それをもう1年余分に養殖すると、更に減少数が増えてしまいます。
減少率を抑えるためには、最初から2年物の出荷を諦め、3年物として1年目から養殖する必要があり、
それでも年によっては、2年物ふぐの3割未満しか残らないこともあるなど、かなりリスクをかかえます。
こうした苦労を経て生まれた淡路島3年とらふぐは、2年物にはない天然並みの肉質と大きな白子が特徴で、
兵庫県認定食品として登録され、その証として1匹に1枚の証明書が発行されています。
これは福良の養殖業者さん達が、自分達の育てた淡路島3年とらふぐを大切にする証であり、
自信を持って養殖している証だと思います。